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ブルゴーニュワインとは、フランス東部のブルゴーニュ地方で造られるワインのこと。
ブルゴーニュ地方とは、ロマネ・コンティやモンラッシェなど、世界最高級のワインを生み出し続けている地域。
ブルゴーニュワインは、名実ともにワインの王様ともいわれ、世界中のワイン愛好家から絶大な支持を得ています。
でも、いざブルゴーニュワインを飲もうとすると、こんなふうに困ったことはありませんか?
「ブルゴーニュワインといっても、種類がありすぎて選べない!」
「ラベルにフランス語がみっちり書かれていて、見分けがつかない!」
「レストランで飲んだあのブルゴーニュワイン、ワイン名が長すぎて覚えられない!」
そう、ブルゴーニュワインは種類が豊富で、とっても複雑・・・。
特にフランス語が何行も並んだラベルは、私たち日本人にとってはハードルが高いですよね。
でも私たちは声を大にして言いたい。
ブルゴーニュワインは、ラベルに書かれている内容を少し理解するだけでも、すごく楽しめるワインだということを!
ラベルを見るだけで、そのワインの品質がわかるくらい、ブルゴーニュワインのラベルには濃密な情報が詰まっているんです。
だから今回は、ぜひあなたにも、ブルゴーニュワインのラベルの見方を覚えてほしい!
ラベルの見方を知れば、ブルゴーニュワイン、ひいてはフランスワインの魅力に心を奪われ、ついネットでポチっと購入してしまうかもしれません(笑)
ちなみに、ブルゴーニュ地方はミシュランガイド3つ星2つ星を獲得するレストランが軒を連ね、「牛肉の赤ワイン煮込み」や「エスカルゴ」、「エポワスチーズ」など、世界的に有名な郷土料理・食材などもあります。
世界最高級のワインが生まれるブルゴーニュ地方は、ワインだけでなく料理も最高というわけなんです。
今回は、そんなブルゴーニュワインやブルゴーニュ地方の魅力に迫ります!
とてもボリューミーな記事なので、後半に紹介するオススメのブルゴーニュワインを先にちょっとだけお見せしますね。
この記事で紹介している編集部厳選のワイン3選
編集部評価: 4.5
スモーキーな樽感と華やかなフルーティーさにハーブやスパイスのニュアンス。
複雑でエレガントな赤ワイン。
編集部評価: 4.5
柑橘系のフルーティーさに、香ばしさや樽感、草原や花など複雑に要素が絡みあい、長い余韻があります。
編集部評価: 4.0
白い花や柑橘系のフルーティーな香りと、すっきりとした口当たりの辛口白ワイン。
それでは、まいりましょう!
ブルゴーニュワインの魅力は土地ごとの個性!
冒頭でもお伝えしたとおり、ブルゴーニュワインはフランス東部のブルゴーニュ地方で造られるワイン。
ブルゴーニュ地方は、ボルドーワインのボルドー地方と並んで、世界一有名といっても過言ではないほどの銘醸地です。
ブルゴーニュはワインの王様、ボルドーはワインの女王といわれるほどです。
では、なぜブルゴーニュ地方は銘醸地になったのでしょうか。
そのワケは2つあり、ブルゴーニュ地方のワイン造りの歴史と、ワイン造りに適したブルゴーニュならではの気候と土壌が関係しています。
まずはワイン造りの歴史から見ていきましょう。
千年前の修道士たちのワイン造りがブルゴーニュワインの原型
ブルゴーニュ地方では、なんと紀元前600年頃からワイン造りが始まっていたといわれています。
そして、今のような銘醸地となる転機は11世紀ごろ。
当時ブルゴーニュ地方には多くの修道院があり、修道士たちがブドウ栽培やワイン醸造を熱心に研究しました。
それが今の銘醸地の原型となりました。
会話調でざっくり説明すると、こんな感じです。
●当時の修道士たちによる発見
- 「ん?こっちの畑と数メートル離れたあっちの畑では、ブドウの出来が違うぞ?」
- 「丘の向きで日当たりが違うからかな?土が違うのかな?」
- 「ブドウの出来が違うとワインの味も変わるぞ?」
- 「つまり、土地がいいといいワインができるのか!!」
そう、ワインの質は地形や土壌、日当たりなどの気候条件が深く関係する、と考えられるようになったのがこの頃。
ちなみに、このブドウの樹をとりまく環境のことを「テロワール」と呼びます。
修道士たちは研究に研究を重ね、特にいいワインができるブドウ畑の一角を石垣などで囲って、区画を作っていきました。
その区画のことを現在では「クリマ」といいます。
そのクリマ(区画)こそがブルゴーニュワインの魅力である「個性」を生み出しているんです。
ブルゴーニュ地方では、数メートル離れるだけで、違うテロワール(環境)があるといわれます。
なぜ、そんなに違いが出るのでしょうか?
それはブルゴーニュ地方の気候と土壌の特性が関係しています。
ということで、続いてはブルゴーニュ地方の気候と土壌について、詳しくお話しします。
ワイン造りに適したブルゴーニュ地方の気候と土壌
ブルゴーニュ地方の土壌は、石灰岩と粘土質の土がメイン。
そのなかでも、少しずつ成分が違う地層が重なっていて、その重なり方は土地ごとに少しずつ違います。
ブルゴーニュ地方の気候は比較的涼しく、乾燥しがちで、昼夜の気温差が大きく、それがブドウ栽培に適しています。
また、ゆるやかな丘陵地帯が南北にうねるように広がっているので、日の当たり方や気温など気候条件も場所ごとに少しずつ違います。
この土壌の違いと、日照や気温の差が、土地ごとの個性を生み出しているというわけなんです。
また、ブルゴーニュ地方では、中世から赤ワインは「ピノ・ノワール」、白ワインは「シャルドネ」というブドウ品種を使ってワインを造るようになりました。
これらの品種は、ブルゴーニュの土壌に最適で、さらには土地ごとの個性をワインに反映しやすい品種なんです。
(品種については次のボルドーとの違いで、もう少し詳しく触れますね)
さて、次はブルゴーニュと双璧をなすボルドーとの違いです。
ボルドーとの違いをみていくと、ブルゴーニュワインの特長がよくわかりますよ!
ブルゴーニュとボルドーとの違い4つ
ブルゴーニュワインはワインの王様、ボルドーワインはワインの女王といわれます。
そう、ブルゴーニュとボルドーはワイン界の二大巨頭!
どっちのほうが優れているということはなく、ブルゴーニュとボルドーには特長の違いが明確にあります。
つまり、違いをみていくことで理解を深めることができるんです。
まずは違いを表でまとめました。
ブルゴーニュ | ボルドー | |
---|---|---|
ボトルの形 | なで肩ボトル | いかり肩ボトル |
生産者の呼び方 | ドメーヌ | シャトー |
ブドウ品種の数 | 単一品種 | 複数品種 |
ワイングラス | バルーンのようにふくらみの大きなグラス | 縦長の大きなグラス |
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
【ボトルの形】なで肩ボトルのブルゴーニュといかり肩ボトルのボルドー
ブルゴーニュは海抜が高いため、昔は地下に貯蔵庫を作って食料やワインを保存していました。
狭い貯蔵庫になるべくたくさん保管できるように、互い違いに収めるため、なで肩ボトルになったのが由来です。
いっぽうボルドーワインでは、「澱(オリ)」が、グラスに注いだときにせき止められるように、このいかり肩ボトルになっています。
ボルドーワインのなかでも長期熟成タイプのワインは、澱が多く発生しやすいんです。
【生産者の呼び方】ブルゴーニュのドメーヌとボルドーのシャトー
ワインを少し知り始めると、ドメーヌやシャトーという言葉を聞くことがあるかと思います。
「ドメーヌ(Domaine)」と「シャトー(Chateau)」はどちらもフランスのワインの生産者のことを指しています。
正確には、ブドウ畑を所有し、ブドウの栽培からワインの醸造、瓶詰まで一貫して行っている生産者のことをいいます。
少しわかりにくい人は、「ワイナリー名」だと思ってもらえばOKです!
ブルゴーニュではそういった生産者をドメーヌ、ボルドーではシャトーと呼んでいるのですが、なぜ生産者の呼び方に違いがあるのでしょうか?
それには歴史が関係しているんです。
ブルゴーニュでは、18世紀のフランス革命でいちど国が土地を没収し、その後、農家に少しずつ分け与えました。
その歴史から、家族経営の小規模な生産者がほとんどです。
当時、父親が亡くなったらその土地を子供たちそれぞれに平等に分けよ、という法律(ナポレオン法典)もできたので、現在のように畑のなかにすごい数の区画ができたのだ。
ひとつの畑を数十人が一部ずつ所有している場合もあるくらいなのだ。
実際に、どのようにブドウ畑が区画に区切られているのか、本場の専用の地図でみることもできますよ。
実際の現在のブルゴーニュの区画を見る|ブルゴーニュのクリマ公式サイト
いっぽう、ボルドーの「シャトー」とは、フランス語で「お城」という意味。
その名の通り大規模な生産者で、広大なブドウ畑をまるまる所有しています。
12世紀頃、ボルドーの公女がイギリス国王と結婚したことで、ボルドー地方は一時的にイギリス領となりました。
そのとき、イギリスの貴族たちは広いブドウ畑を所有し、人々を雇用してワイン造りを行い、ワインに自分のお城の名前をつけました。
それがボルドーのシャトーの起源です。
ブルゴーニュのドメーヌが所有するブドウ畑の平均的な広さは、だいたい東京ドームより少し小さいくらい。
いっぽうボルドーは東京ドーム10倍くらい。
もちろん生産者によって違うのだが・・・。
広さの違いがイメージできただろうか。
【ブドウ品種の数】単一品種のブルゴーニュワインと複数品種のボルドーワイン
単一品種や複数品種とは、ワイン造りに使うブドウの品種の数のこと。
ブルゴーニュでは1種類のブドウのみを使ってワインを造り、ボルドーでは複数の品種を混ぜて造っています。
ブルゴーニュで使う代表的な品種は、赤ワインは「ピノ・ノワール」で白ワインは「シャルドネ」です。
もちろん、この2種類のブドウだけではありませんが、この2つがブルゴーニュ全体の生産量の8割を占めています。
それでは、品種ごとの特長をまとめますね。
赤ワイン用ブドウ品種
- ピノ・ノワール
渋みが少なく、長期熟成に向き、繊細な個性を引き出すポテンシャルを持つ品種。
冷涼で乾燥した気候、石灰岩など水はけのいい土壌を好み、ブルゴーニュの風土に最適。
いっぽうで、ブドウの皮が薄く繊細で、病気にも弱く栽培が難しい。
長期熟成に向き、熟成が進むほどに、まるみと複雑さ、豊潤さのある味わいになり、皮が極端に薄いこともあり渋みは控えめのワインになる。
ロマネ・コンティをはじめブルゴーニュの赤ワインの代名詞。 - ガメイ
ピノ・ノワールと同じく渋みが少なく、軽めのワインに向く。
ブルゴーニュのボジョレー ヌーヴォーはこのガメイで造られている。
白ワイン用ブドウ品種
- シャルドネ
ブルゴーニュのマコネ地区が起源とされる品種。
適応性が高く、現在では世界中で最も多く栽培される白ワイン品種のひとつとなった。
ピノ・ノワールと同じく、土地や生産者の力量によって多様な味わいのワインになる。 - アリゴテ
ブルゴーニュ地方に古くから根付く品種。
とても丈夫で、ピノ・ノワールやシャルドネには適さない土地で主に栽培されている。
ボルドーは赤ワインも白ワインも複数品種を使ってワインを造ります。
たとえば、赤ワインでは、メルロやカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランを使います。
白ワインでは、ソーヴィニヨン・ブランやセミヨン、ミュスカデルを使います。
【ワイングラス】ふくらみの大きなグラスでこそ真価を発揮するブルゴーニュワイン
まずはブルゴーニュワイン用とボルドー用のワイングラスの違いをみてみましょう。
先ほどお話ししたように、ブルゴーニュの赤ワインはピノ・ノワール単一種類から造り、その繊細な香りと味わいが特長です。
飲む瞬間にその繊細さを豊かに感じられるよう、グラスはふくらみが大きく、飲み口が狭まっているタイプが最適なんです。
ひとくち飲んだあとに、スワリングする(グラスをくるくる回す)ことで、ワインが空気に触れ、さらに違う顔を見せてくれます。
そんなワインの変化を楽しむのに、このタイプのグラスが一役買ってくれるんですよ。
ちなみに、白ワインのグラスはふっくらしていないタイプのイメージが強いですが、ブルゴーニュのシャルドネの場合は、赤ワインと同じくふくらみのあるタイプが適切な場合もあります。
いっぽう、ボルドーは複数品種を使った複雑なバランスの香りと味わいが特長。
そのため、ワインのバランスをそのまま集約して飲めるような、シュッとした縦長のグラスが最適なのです。
ブルゴーニュとボルドーで、もうひとつ大きな違いが格付け。
格付けは、ブルゴーニュでは畑ごと、ボルドーではシャトーごとです。
ブルゴーニュの格付けは、ブルゴーニュの魅力を知る、ひいてはブルゴーニュワインの選び方に関わるのでぜひ押さえておきたいポイント。
ただし、とってもややこしいので断片的な知識だと、すぐ忘れちゃう・・・!
ということで、詳しめに説明していきますね!
ブルゴーニュでは畑ごとに格付けがある
ブルゴーニュの格付けの話の前に、まずはヨーロッパのワイン法とフランスの格付けについて、簡単に解説します。
ヨーロッパではワイン法による格付けの仕組みがあります。
ワインの産地や醸造方法、生産量など細かく厳しい基準があり、それをすべてクリアすることで品質を担保しているのです。
フランスの格付けは、Appellation d'Origine Controlee (アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ)、略してAOC、日本語では原産地統制名称といいます。(長い!)
産地名をワインのラベルにはっきり書くことで、産地にひもづいた伝統と品質を証明しているということです。
それでは、ブルゴーニュの格付けについてお話ししていきます。
ブルゴーニュでは、最初に少しお話しましたが、「畑」ごとに格付けが決まっています。
厳密には、「クリマ」(区画)ごとに格付けされています。
※歴史の説明のときにお話しした、11世紀ごろ修道士たちが研究していいワインのできる土地を区切っていったことが起源の、あのブドウ畑の細かい区画のことです。
村・畑・クリマ(区画)の関係性を、イメージしやすいようにあえて図解するとこうです。
なんとなく、村・畑・クリマ(区画)のイメージがついたでしょうか?
それでは格付けの種類をみてみましょう。
格付けは全部で4種類。
ピラミッドになっているのは、上のほうが希少性が高く生産量が少ないからです。
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
- グラン・クリュ(Grand Cru)
日本語で特級畑と訳す。
ブルゴーニュの畑のうちグランクリュと格付けされる畑は1%ほどで、希少性が高い。
ブルゴーニュが発展した中世から続く、歴史的に良質な畑が多い。
ロマネ・コンティやモンラッシェなど超有名畑は、「Grand Cru」という表記だけでなく畑名がラベルにどーんと一番大きく記されることもある。 - プルミエ・クリュ(Premier Cru)
1級畑と訳す。
プルミエ・クリュは全体の10%ほどで、地質や地形、土地の場所が良質とされる。
ラベルには畑名またはPremier Cru/1er Cruと記される。 - 村名クラス(Communales)
グラン・クリュ、プルミエ・クリュほどではないが、とても良質な畑。
全体の36%ほどを占め、ラベルには村の名前が大きく記される。
例)「ヴォーヌ・ロマネ」 - 地域クラス(Regionales)
上のどれにもあたらないブルゴーニュで造られるもの。
全体の50%あまりを占める。
ほかの格付けに比べると手頃な価格で、ブルゴーニュワインの入門編としては最適。
例)「ブルゴーニュ」「マコン・ヴィラージュ」「クレマン・ブルゴーニュ」
先ほどの村・畑・クリマ(区画)の関係性の図に、これらの格付けをプラスすると、こんなイメージです。
1つのブドウ畑にグラン・クリュという格付けが1つしかない、というわけではないですよ。
あくまで地区のなかに村があってその中に畑があって、クリマという複数の区画に区分けされている、というイメージの参考にしてくださいね。
格付けの種類がわかったところで、続いては、ブルゴーニュワインのラベルについて解説します。
ブルゴーニュワインのラベルには基本的に、 (ブルゴーニュ地方の〇〇地区の)、○○村にある、○○畑の、この格付けの区画で、○○さんが造ったと書かれているんです。
※ただし、格付けによっては地区名や村名、畑が含まれなかったりします。
実際のプルミエ・クリュの格付けのワインラベルをみてみましょう。
長いワイン名はこういう仕組みだったんですね。
これはプルミエ・クリュなので特に表記されている項目が多いですが、地域名クラスの格付けだと、たとえば「Bourgogne」とヴィンテージ(2019年など)だけが書かれています。
ちなみに、1つのグラン・クリュ、またはプルミエ・クリュに格付けされた区画を、1つの生産者が所有している場合を「モノポール(単独所有畑)」と言います
実は、世界一高価で世界一有名なロマネ・コンティが、この「モノポール」にあたります。
ロマンの結晶であるロマネ・コンティ
ロマネ・コンティというワインは、ヴォーヌ・ロマネ村の、ロマネ・コンティという畑で、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティという生産者だけが造っています。
「ロマネ・コンティ」という言葉をワイン名、畑名、生産者名として使うのでわかりにくいですね(笑)
生産者名は頭文字をとって「DRC」ということもよくあります。
ロマネ・コンティ(畑)は最高のテロワール(環境)に恵まれており、かつ、長い間代々受け継がれた伝統とワイン造りの技術が積み重なった、こだわりの結晶です。
いいブドウが採れた年のブドウを使ったワインを「グレートヴィンテージ(またはグッドヴィンテージ)」といい、グレートヴィンテージのロマネ・コンティは数百万円で取引されます。
もはや、飲み物というより冨とロマンの象徴なのですね。
ちなみに、価格が高騰する理由のひとつに、ロマネ・コンティが投資対象になっていることがあります。
年月が経ってもほぼ値下がりすることがないロマネ・コンティは、優良な投資対象でもあるんですね。
話がそれてしまいました。
ロマネ・コンティのように、ひとつの生産者が独占して畑を所有するモノポールは、ブルゴーニュではとても珍しいのです。
生産者のワイン造りの力量やワイン哲学が反映されて、生産者のこだわり、個性、質がすべてに高く、希少で高価。
ただし、あなたが飲んでどう感じるか、それはあなた次第ですよ(^^)
格付けの仕組みがわかったところ、ブルゴーニュの有名な産地について押さえておきましょう。
銘醸地コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌ
ブルゴーニュ地方にはざっくり6つの地区があります。
シャブリは少し離れた北のほうにあるので、枠線で区切っています
シャブリやボジョレーは特に有名ですね。
美味しいワインでも以前紹介しました。
実は、ブルゴーニュワインの個性をあますところなく表現するワインを、特に数多く産出している地区は「コート・ド・ニュイ」と「コート・ド・ボーヌ」です。
今回は、その2つの地区の、有名な村を紹介していきます。
コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌのコート、はフランス語で丘を意味する。
その2つを合わせたエリアを「コートドール(フランス語で「黄金の丘」)」と呼び、世界最高級ワインがごろごろ生まれるエリアなのだ。
ワインの長い歴史と伝統、文化のあり方が評価され、世界遺産にも登録されているぞ。
ロマネ・コンティなど最高級の赤ワインが生まれる「コート・ド・ニュイ」
南北20km、幅数百メートルの細長いこの地区は、整然とブドウ畑がどこまでも続きます。
グラン・クリュが密集する区画があり、グラン・クリュ街道と呼ばれ観光名所にもなっています。
ロマネ・コンティ、ジュヴレ・シャンベルタンなど、世界最高級の赤ワインの産地のひとつです。
ブルゴーニュ地方ならではの暑い夏と厳しい寒さがあり、昼夜の寒暖差が激しく、また日当たりがよく、ブドウ栽培に向きます。
収穫時期の秋は年によって微妙に気候に違いがあり、年ごとの個性が出やすい環境にあります。
ちなみに、ワインの世界では、この「年」のことを「ヴィンテージ」といい、年ごとの個性は「ヴィンテージごとの個性」というんですよ。
ワインの特長としては、長期熟成に向き、熟成とともにシルクのようになめらかになっていき、ほどよいタンニンと複雑さがあります。
ここでは村なのか畑なのかをわかりやすくするため、あえて「村」という言葉をつけています。
- ジュヴレ・シャンベルタン村(Gevrey-Chambertin)
コート・ド・ニュイの最北の村で、最も多くのグラン・クリュが集まっている。
ピノ・ノワールを使った赤ワインだけが造られており、世界最高峰の赤ワインの産地のひとつ。
村名の「シャンベルタン」はそのなかでも最も有名なグラン・クリュ「シャンベルタン」畑の名前に由来する。 - モレ・サン・ドニ村(Morey-Saint-Denis)
同じく長期熟成に向く高品質の赤ワイン、シャルドネの白ワインが造られる。
クロ・サン・ドニ(Clos Saint-Denis)など名高いグラン・クリュがある。
ちなみに「クロ(Clos)」は塀に囲まれた畑のことで、クリマと同じような歴史がある。 - シャンボール・ミュジニー村(Chambolle-Musigny)
最高級赤ワインの産地のひとつ。
ミュジニーというグラン・クリュがある。
10年以上の長期熟成に向く赤ワインが造られている。 - ヴォーヌ・ロマネ村(Vosne-Romanee)
ロマネ・コンティなど最高級のワインが造られ、「神に愛された村」と賞賛され続ける村。
ほとんどのグラン・クリュのモノポール(単独所有畑)はこの村にあり、ブルゴーニュのなかでも唯一無二。
村名クラスでも5年以上、グラン・クリュでは十数年など、長期熟成のポテンシャルを秘めるワインが造られる。
ここであげたような有名な村名クラスだからといって、絶対「美味い!」かというとそうも言い切れない。
反対に、地域名クラスでも、有名な村でなくても秀逸なワインはたくさんある。
ワインは一期一会なのだ!
モンラッシェなど最高級の辛口白ワインが生まれる「コート・ド・ボーヌ」
ボーヌという街の南側に細長く伸びる地区。
シャルドネの最高級辛口白ワインの銘醸地で、モンラッシェなど豊満で個性豊かな白ワインが造られます。
白ワインだけでなく赤ワインもコルトンなど有名産地もありますが、コート・ド・ニュイよりは軽めものも多く、より手軽に楽しめます。
泥灰質、粘土質のなかにも多様な土壌があり、ワインの個性もさまざまです。
ここでは村なのか畑なのかをわかりやすくするため、あえて「村」という言葉をつけています。
- ピュリニー・モンラッシェ村(Puligny-Montrachet)
世界中から賞賛を集め続け、「白の貴族」「白ワインのプリンス」などと呼ばれる。
コート・ド・ボーヌ、ひいては世界最高峰のシャルドネの白ワインの銘醸地。
「モンラッシェ」をはじめ4つのグラン・クリュ、17ものプルミエ・クリュを持ち、日当たりがよく複雑な土壌がある。
高いレベルで繊細な香り、豊かなミネラル、キレのいい酸のバランスが取れたワインが多く、クリマごとに多彩なワインが造られる。
- シャサーニュ・モンラッシェ村(Chassagne-Montrachet)
同じく、ブルゴーニュを代表する世界最高峰のシャルドネの白ワインの銘醸地。
ピュリニー・モンラッシェ村の南西に隣接する。
モンラッシェなど3つのグラン・クリュがある。
モンラッシェはピュリニー・モンラッシェ村と分け合うように位置している。
10~15年やそれ以上など長期熟成に向き、豊満でリッチな味わいが特長。
白ワインだけでなく良質な赤ワインも造られる。ロマネ・コンティ社(DRC)が造るモンラッシェは最高級。
数十万円で取引される。 - ムルソー村(Meursault)
モンラッシェと並ぶ世界最高峰のシャルドネの白ワインが造られる。
ペリエール、シャルム、ジュヌヴリエールというプルミエ・クリュは特に有名。
ムルソーの村名クラスでも高品質で、価格もモンラッシェに比べて控えめなこともあり人気がある。
コクと奥行きのある味わいが特長。 - ボーヌ村(Beaune)
ピノ・ノワールを使った赤ワインが多く、良質なシャルドネの白ワインも造られる。
ブルゴーニュで最も広い畑があり、42ものプルミエ・クリュがある。
長期熟成タイプのブルゴーニュらしいワインが楽しめる。 - コルトンの丘(Bois de Corton)
コート・ド・ボーヌのシンボルの広大な丘。
アロス・コルトン村(Aloxe-Corton )をはじめ3つの村にまたがっている。
上部では白ワイン、中部、下部では赤ワインが造られ、それぞれコート・ド・ボーヌを代表する銘醸地。
グラン・クリュであるコルトン・シャルルマーニュ(Corton-Charlemagne)はモンラッシェと並ぶブルゴーニュのシャルドネの白の最高峰がある。
赤ワインの代表的なグラン・クリュはコルトン(Corton)。
地域名クラスからグラン・クリュまで!オススメのブルゴーニュワイン9選
編集部で実際に試飲したワインを、地域名クラス、村名クラス、プルミエ・クリュ、グラン・クリュの順に紹介します。
比較的手頃なものをそろえました。
ブルゴーニュワインは、同じ村でも、生産者によっても、ヴィンテージによっても味わいは全然違ってきます。
家飲みだけでなく、レストランやワインバーでもいろいろ飲み比べてくださいね。
ブルゴーニュワインだけでなく、もっといろんなワインを知りたい!という方は、こちらの記事もご覧ください。
>【保存版】美味しいワイン編集部の試飲レビューあり!オススメのワイン200本以上まとめました!
1. すっきりとフルーティーな朝日のような爽やかさ「ブシャール・ペール・エ・フィス ブルゴーニュ シャルドネ」
2. 若々しい酸味で軽やか「ブシャール・ペール・エ・フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール ラヴィニエ」
ブシャール・ペール・エ・フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール ラヴィニエ
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生産地 | フランス | ブドウ品種 | ピノ・ノワール |
---|---|---|---|
種類 | 赤ワイン | 香り | バラ/樽/ラズベリー |
味わい | ミディアムボディ | 合う料理 | 焼き鳥/和食 |
AOCブルゴーニュ、ミディアムボディの赤ワイン。
バラや鉄のような香りに、かすかに樽のスモーキーさがあります。
味わいはラズベリーなど赤い果実や鉄のような酸味があり、渋みはほとんど感じられず、フレッシュで飲みやすい赤ワインです。
カツオのタタキなどの和食、オードブルと相性がいいです。
よくスワリングしたり、1日経つとまた違った表情があります。
3. 豊満なフルーティーさと樽感「フィリップ・シャルロパン・パリゾ ブルゴーニュ ルージュ キュヴェ プレステージ 」
フィリップ・シャルロパン・パリゾ ブルゴーニュ ルージュ キュヴェ プレステージ
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生産地 | フランス | ブドウ品種 | ピノ・ノワール |
---|---|---|---|
種類 | 赤ワイン | 香り | ミント/コショウ/樽 |
味わい | ミディアムボディ | 合う料理 | チキン/和食 |
ふくよかなフルーティーさに、セロリなどのハーブ、黒コショウのようなスパイシーなニュアンスがあるミディアムボディの赤ワイン。
味わいは複雑さがあり、スモーキーな樽感と軽やかな果実味があり、とてもエレガントです。
この生産者は除草剤や化学肥料を使用せず、できるだけ人の手を介さないスタイルのワイン造りを行っています。
4. 華やかな香りにドライな飲み口「シャブリ ラブレ・ロワ」
シャブリ ラブレ・ロワ
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生産地 | フランス | ブドウ品種 | シャルドネ |
---|---|---|---|
種類 | 白ワイン | 香り | 白い花/りんご/シトラス |
味わい | 辛口 | 合う料理 | カルパッチョ/アクアパッツア |
1832年に創立された、歴史の古いワイナリーで作られています。
花のような優雅な香りと、しっかりした酸味とキレのあるドライな味わいで、シャブリの奥深さを楽しむことができます。
上の写真で天ぷらを合わせていますが、このワインの酸味が口の中の油っけをすっきりとさせ、エビなど魚介の旨さを際立たせてくれます。
お刺身や魚のグリルなど、どのような魚介料理とも相性が抜群です。
5. パンのような香ばしさ、ハーブのような複雑さを合わせ持つ「ルイ・ジャド ムルソー」
ルイ・ジャド ムルソー
(2023年11月13 12:30時点のAmazonの価格)
生産地 | フランス | ブドウ品種 | シャルドネ |
---|---|---|---|
種類 | 白ワイン | 香り | レモン/パン/グレープフルーツ |
味わい | 辛口 | 合う料理 | アクアパッツア/グラタン |
1832年に創立された、歴史の古いワイナリーで作られています。
花のような優雅な香りと、しっかりした酸味とキレのあるドライな味わいで、シャブリの奥深さを楽しむことができます。
上の写真で天ぷらを合わせていますが、このワインの酸味が口の中の油っけをすっきりとさせ、エビなど魚介の旨さを際立たせてくれます。
お刺身や魚のグリルなど、どのような魚介料理とも相性が抜群です。
6. 複雑さが魅力「アルベール・ビショー ジュヴレ・シャンベルタン ラ・キュヴェ・ドゥ・ジェネラル・ルグラン」
アルベール・ビショー ジュヴレ・シャンベルタン ラ・キュヴェ・ドゥ・ジェネラル・ルグラン
(2023年11月13 12:30時点のAmazonの価格)
生産地 | フランス | ブドウ品種 | ピノ・ノワール |
---|---|---|---|
種類 | 赤ワイン | 香り | ラズベリー/樽/ミント |
味わい | ミディアムボディ | 合う料理 | チーズ/ハンバーグ |
コート・ド・ニュイ地区、ジュヴレ・シャンベルタン(村)の村名クラスの赤ワイン。
ブルゴーニュのピノ・ノワールらしい一本です。
赤い果実やベリーのようなフルーティさと、ほどよい樽の香り、味わいはフルーティーさだけでなく、ハーブ、スパイスのニュアンスが複雑に混じり合います。
長い余韻がありつつもすっきり飲めます。
グラスをよく回すとふくよかな香りがほわっと広がりエレガントな赤ワインです。
ドライフルーツやチーズ、肉料理と相性がよいです。
7. たっぷりの陽を浴びたブドウの深みがある「ルペ・ショーレ ボーヌ プルミエ・クリュ レ ブレサンド」
ルペ・ショーレ ボーヌ プルミエ・クリュ レ ブレサンド
(2023年11月13 12:30時点のAmazonの価格)
生産地 | フランス | ブドウ品種 | ピノ・ノワール |
---|---|---|---|
種類 | 赤ワイン | 香り | バラ/コショウ/ミント |
味わい | フルボディ | 合う料理 | トマト料理/チーズ |
コート・ド・ボーヌ地区のボーヌ(村)のコルトンの丘に位置する、プルミエ・クリュ「レ ブレサンド」の赤ワイン。
コルトンの丘は記事でも少し触れましたね。
バラやベリー、黒コショウのようなスパイシーな香りがふんわりと広がります。
味わいは、赤い果実やハーブのような深みと、ほのかな樽のニュアンス、シルクのようになめらかなほどよい渋みがあります。
上品でとても飲みやすい一本。
8. 究極のエレガンス「メゾン・ジョセフ・ドルーアン シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ モルジョ マルキ・ド・ラギッシュ」
メゾン・ジョセフ・ドルーアン シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ モルジョ マルキ・ド・ラギッシュ
(2023年11月13 12:30時点のAmazonの価格)
生産地 | フランス | ブドウ品種 | シャルドネ |
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種類 | 白ワイン | 香り | バター/シトラス/樽 |
味わい | 辛口 | 合う料理 | ナッツ/アクアパッツア |
コート・ド・ニュイ地区シャサーニュ・モンラッシェ(村)のプルミエ・クリュの辛口白ワイン。
このワインの香りは、バターやパンのような香ばしさ、完熟の柑橘系のフルーツ、花のようなニュアンスがあります。
味わいはなめらかでとろりとした舌触りが特長的。
濃厚な凝縮した果実感と、上品で香ばしい樽香、長い余韻があります。
チーズやナッツなどをはじめ、クリームを使った料理や魚介料理との相性は抜群です。
造り手「メゾン・ジョセフ・ドルーアン」は、ブルゴーニュを代表する生産者のひとつで、世界の三つ星レストランやワイン愛好家に高い評価を受け続けています。
9. 深く複雑な味わい「パスカル・マルシャン シャルム・シャンベルタン グラン・クリュ」
パスカル・マルシャン シャルム・シャンベルタン グラン・クリュ
(2023年11月13 12:30時点のAmazonの価格)
生産地 | フランス | ブドウ品種 | ピノ・ノワール |
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種類 | 赤ワイン | 香り | ブルーベリー/カシス/森 |
味わい | フルボディ | 合う料理 | ステーキ/トマト料理 |
コート・ド・ニュイ地区のグラン・クリュ、シャルムシャンベルタンの赤ワイン。
ブルーベリーのような果実感と、スパイシーかつ森のような深い香りがあります。
味わいは濃厚なカシス、ベリー系の果実や赤い花のようなフルーティーさに、ほどよい渋みがしっかりと加わって、何層もの違う味わいが奥行きをもって広がります。
この生産者は農薬や化学肥料を使わない「ビオディナミ農法」というオーガニックな農法を採用しています。
もっとオススメのワインを知りたい方へ
美味しいワインでこれまでレビューしたオススメのワインを、ひとつのページにまとめました。
さいごに
ブルゴーニュワインの魅力はその個性!
格付け、土地、気候やブドウの出来などのヴィンテージ、生産者の力量などいろいろな要素がワインに無限の個性を与え、その違いを楽しむことこそブルゴーニュワインの醍醐味です。
そのため、「いつ飲んでも安定して美味しい」のとは対局にあるかもしれません。
でも、それぞれの生産者が、長い伝統と歴史、哲学とこだわりを込めて造られたワインばかりです。
今回お話ししたことを思い出しながら、レストランやワインバー、お家で少しずつブルゴーニュワインを楽しんでもらえると嬉しいです。
お相手は、美味しいワイン編集部の広江でした!
see you!
ところで、この美味しいワインというサイトでは、これまでにいろいろなワインを紹介してきた。
200以上のワインを厳選してきたね。
それらのワインがひとつの記事にまとまっているといいんだけど・・・。
そう言うかと思って、私がまとめてみたわ。
以下の記事を見れば、美味しいワイン編集部がオススメするワインが一覧でチェックできるのよ。
それが、こちら!
この記事を監修してくれたワイン博士
(一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパートSAKE Diplomat
NPO法人 全日本ワイン連盟認定 ソムリエ
日本テキーラ協会認定 テキーラマエストロ
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定 酒師
狩猟免許・調理師免許 保持
所属するワインバー:北新地 ラルモニー・デュ・ヴァン・ピュール
北新地のワインバー、通称ピュールのオーナーソムリエ。
調理師学校卒業後、シェフとして複数のイタリアンレストランで勤務する。
その後ワインに魅了されてソムリエを取得し、北新地などのワインバーに勤務する。
ワインにとどまらず日本酒、テキーラ、ジビエ料理も勉強し、精力的に自身の引き出しを広げている。