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「シャブリ」とは、フランスのブルゴーニュ地方にあるシャブリ地区で造られる、上質な辛口の白ワインです。
レモンのような柑橘系の爽やかな酸味と、フレッシュな味わいで、「和食にも合う!」と日本でも人気が高まっています。
実は、シャブリの美味しさの秘密は1億5千万年前にもさかのぼります。
というわけで、こんにちは。
「美味しいワイン」編集部の中山です。
今回はそんなシャブリの魅力に迫ります!
記事内では、オススメのシャブリをいくつか紹介しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
あ、その前に美味しいワイン編集部オススメのシャブリを3つだけ先に紹介しておきますね。
この記事で紹介した編集部厳選のシャブリ3選
編集部評価: 4.0
柑橘系フルーツや白い花、はちみつのような香りに、まろやかな飲み口で、酸味も控えめです。
編集部評価: 3.5
柑橘系の華やかな香りで、ひとくち飲むと口の中にたっぷりとした果実感が広がります。
編集部評価: 4.0
森林のような爽やかな香りに、フルーティーでキリっとした酸味とコクがある、リッチなシャブリ。
シャブリが人気の理由
シャブリはブルゴーニュ地方の最北、シャブリ地区で造られています。
ブルゴーニュといえば、ボルドーと並ぶフランスの二大ワイン産地。
つまりシャブリは広義の意味ではブルゴーニュワインとなるわけですが、あまりに人気があるため、「シャブリ」というワイン名自体が有名です。
1.シャブリはシャルドネ100%で造られる
ブルゴーニュのワインの特徴として、基本的に1種類のブドウから造られます。
ブルゴーニュの白ワインに主に使われるのは、「シャルドネ」というブルゴーニュ原産の白ブドウ。
そしてシャブリも「シャルドネ」という白ブドウ100%で造られます。
シャルドネは、世界中で栽培されている、とてもメジャーな白ブドウの品種。
栽培する土地や気候(テロワールといいます)によって、味わいが大きく変わるという特徴があります。
2.シャブリの美味しさの秘密は、1億5千万年前にさかのぼる
ブルゴーニュ地方の最北に位置するシャブリ地区は、シャルドネの栽培に適した冷涼な気候。
それだけでなく、シャブリの土地にも美味しさの秘密があります。
シャブリ地区は1億5千万年前は海の底でした。
その地層が隆起し、現在は牡蠣などの貝殻の化石が大量に混ざった、世界でも珍しい石灰質の土壌になっています。(キンメリジャンといいます)
そんな土壌で育つシャルドネから造られるシャブリは、キリっとした酸の爽快感と上品な奥深さが同居する、得も言われぬ美味しいワインとなるのです。
またシャブリの香りと味わいの特徴として、石灰など鉱物のようなニュアンス、火打ち石を思わせるスモーキーさもあります。
専門家の間ではこのようなニュアンスをミネラル感と表現したりします。
1億5千万年前というと、恐竜が地球上を支配していた時代。
シャブリ地区の畑からは今でもアンモナイトの化石が見つかることがある。
なので、ワインのラベルにアンモナイトをデザインしているシャブリもあるのさ。
3.シャブリの品質を保つワイン法
中世ヨーロッパでは、多くの場合教会や修道院がワインを造っていました。
ワインはキリストの血として大変貴重なものとして扱われていたんです。
シャブリワインのはじまりは、900年以上前。
日本でいうと平安時代の頃です。
シャブリ村のポンティ二ー修道院(今でもあります)がシャルドネを栽培し、ワイン造りをはじめたことがシャブリの起源とされています。
シャブリ村はその土壌と気候からシャルドネの栽培に適していたため、その頃から高品質なワインが造られていました。
そして19世紀に入ると、シャブリ村が比較的パリに距離が近いこともあり、シャブリの美味しさの評判はパリから世界へと広まっていきました。
しかし、シャブリの人気が高まるにつれて、シャブリ村以外で造られたワインでも「シャブリ」と名乗る、いわゆる偽シャブリが世界に出回るようになってしまったんです。
ちょうどその頃フランス政府は、フランス産ワインの品質を守り、保証するため、1930年代にワイン法を設立しました。
ブドウの栽培方法やワインの造り方に厳しい基準をつくるとともに、その土地で造られていないワインがその土地のブランドを名乗ることを「違法」としたのです。
シャブリは、ワイン法のおかげでブランドと品質が今も保たれているのです。
ちなみにシャンパンもシャブリと同様に、フランスのシャンパーニュ地方で造られ、かつワイン法で決められた基準に沿ったワインだけがシャンパンを名乗れます。
シャブリは、フランスのワイン法の格付けのなかでも最上級の「AOC(原産地統制呼称)」に認定されています。
シャブリのラベル(エチケットといいます)には「Appellation Chablis Controlee」という文字が入っており、それを示しています。
ところで、ひとくちにシャブリといっても、リーズナブルなものから高級なものまでさまざま。
もちろん味わいもワインごとに違います。
というわけで次に、シャブリの選び方、見分け方をお話しします。
シャブリの選び方
先ほどお話しした通り、シャブリは、フランスワインの最上級である「AOC」という格付けがされており、さらに4つのランクに分類されます。
ランクによって希少性や値段も違ってきますので、選ぶときの参考にしてくださいね。
- シャブリ グラン・クリュ(Chablis Grand Cru)
シャブリ地区の中でも、一番日当たりのいい特級畑のぶどうで作られている最高級シャブリ。
生産量はシャブリ全体の2%と、とても少ない。
10年以上の熟成期間を経ることで酸味がまろやかになり、非常に上品で深みのある味わい。 - シャブリ プルミエ・クリュ(Chablis Premier Cru)
特級畑の次に条件がいい1級畑のぶどうで作られるシャブリ。
生産量はシャブリ全体の14%。
2~3年熟成するとスッキリした飲み口になり、5年以上熟成させると、果実味が豊かでコクのある味わい。 - シャブリ(Chablis)
生産量がシャブリ全体の中で65%ともっとも多く、日本にも多く輸入されている。
購入してすぐ飲むのに適したフレッシュなワイン。
スッキリとした辛口で、料理にも合わせやすく、手頃な価格なのも魅力。 - プティ シャブリ(Petit Chablis)
シャブリ地区の中でも、牡蠣の化石が埋まっていない畑のぶどうから作られているワイン。
シャブリと同様、開けてすぐ飲むのに適した、リーズナブル。
生産量がシャブリ全体の19%と少なく、日本にはあまり輸入されていない。
これらのランクはワインのラベルに記載されているので、チェックしてみてくださいね。
シャブリの飲み方
手ごろな価格の「シャブリ」や「プティ シャブリ」は、冷蔵庫で3時間くらいしっかり冷やして飲むと、キリっと引き締まった美しい酸を存分に楽しめます。
「グラン・クリュ」や「プルミエ・クリュ」の高級なシャブリの飲み頃温度は、冷蔵庫よりも少し温度が高い10℃~12℃ぐらいがおすすめ。
長期熟成で生まれた華やかな香りとまろやかな酸味が楽しめます。
冷蔵庫でキンキンに冷やしすぎたなと思ったら、常温で少し置いておくといいでしょう。
また、シャブリを飲むオススメのワイングラスは、ベーシックなチューリップ型。
ワインの香りをグラスに閉じ込め、飲む瞬間にふわりと芳醇なシャブリの香りを楽しめます。
では次に、シャブリワインに合わせたい、相性バッチリの料理を紹介します!
牡蠣だけじゃない!シャブリに合う料理
「シャブリは生牡蠣に合う」とよく言われます。
その理由は、昔のシャブリは酸味が非常に強いワインだったため、生の魚介類に合わせると生臭さをうち消す効果があったからと言われています。
今は醸造技術の進歩で、酸味だけではなくまろやかさ、リッチさのバランスがいいシャブリが多いです。
そのため、さきほど紹介した4つのランクのうち、特に樽感のあるリッチなタイプの「グラン・クリュ」「プルミエ・クリュ」は、生牡蠣と合わせるとむしろ生臭く感じることも・・・。
現在のシャブリは生の牡蠣や刺身だけでなく、さっと火を通した魚介料理やあっさりした味つけの肉料理、和食に合います。
シャブリに合う洋食 | 牡蠣やホタテのキノコバター炒め 白身魚のムニエル スモークサーモン 野菜のグリル グラタン |
---|---|
シャブリに合う和食 | アサリの酒蒸し 焼き魚 うなぎの白焼き 焼き鳥の塩 魚介の天ぷら |
洋食ならバターやハーブでさっとソテーしたものやホワイトソース系。
和食なら、スダチやポン酢のような酸味のある味付けの料理がシャブリに合う。
また、以下の記事では、ワインに合うレシピを紹介しています。
シーフードミックスで簡単に作れる「ささっとアヒージョ」や「梅干しとクリームチーズのクラッカー乗せ」は、シャブリと最高のマリアージュが楽しめますよ!
コスパ最高のオススメシャブリ6選
ここからは、1,000円~3,000円台のコスパ最強シャブリ6本を紹介します!
格付けは、すべて「シャブリ」なので、冷蔵庫でよく冷やしてスッキリ飲むのがオススメです。
シャブリだけでなく、もっといろんなワインを知りたい!という方は、こちらの記事もご覧ください。
>【保存版】美味しいワイン編集部の試飲レビューあり!オススメのワイン200本以上まとめました!
1. たっぷりの果実味とまろやかな酸味が絶妙!辛口すぎるワインが苦手な人にもオススメの「シャブリ ウィリアム フェーブル 」
シャブリ ウィリアム フェーブル
(2023年9月14日 12:30時点のAmazonの価格)
生産地 | フランス | ブドウ品種 | シャルドネ |
---|---|---|---|
種類 | 白ワイン | 香り | グレープフルーツ/レモン/草原 |
味わい | 辛口 | 合う料理 | 寿司/和食 |
柑橘系の華やかな香りで、ひとくち飲むと口の中にたっぷりとした果実感が広がります。
まさにシャブリのお手本ともいえる、クリーンでフレッシュさあふれるシャブリです。
写真でにぎり寿司を合わせているように、ほんのり甘い寿司飯とのマリアージュは最高です。
後味がとてもスッキリしているので、天ぷらやから揚げとも相性がいいんです。
とくに女性にオススメの一本。
2. 森林のような深みとコクに上品な酸味のある「シャブリ J.モロー・エ・フィス」
3.超スッキリな辛口が夏にオススメ!和食にもピッタリの「シャブリ ラ・ピエレレ」
4. 最上級の畑をもつワイナリーが作った、上品で繊細な1本!「シャブリ セリエ・ド・ラ・サブリエール ルイ・ジャド」
5. 華のような香りとキレのあるドライな飲み口!キンキンに冷やして飲みたい「シャブリ ラブレ・ロワ」
シャブリ ラブレ・ロワ
(2023年9月14日 12:30時点のAmazonの価格)
生産地 | フランス | ブドウ品種 | シャルドネ |
---|---|---|---|
種類 | 白ワイン | 香り | 白い花/シトラス/りんご |
味わい | 辛口 | 合う料理 | カルパッチョ/アクアパッツア |
1832年に創立された、歴史の古いワイナリーで作られています。
花のような優雅な香りと、しっかりした酸味とキレのあるドライな味わいで、シャブリの奥深さを楽しむことができます。
上の写真で天ぷらを合わせていますが、このワインの酸味が口の中の油っけをすっきりとさせ、エビなど魚介の旨さを際立たせてくれます。
お刺身や魚のグリルなど、どのような魚介料理とも相性が抜群です。
6. リンゴやシトラスのような爽やかな酸味で幅広い料理に合う「シャブリ ラ・キュベ・デパキ」
シャブリ ラ・キュベ・デパキ
(2023年9月14日 12:30時点のAmazonの価格)
生産地 | フランス | ブドウ品種 | シャルドネ |
---|---|---|---|
種類 | 白ワイン | 香り | シトラス/りんご/ミント |
味わい | 辛口 | 合う料理 | 和食/ピザ |
シトラス、アプリコット、梨のような甘酸っぱい香りがあります。
味わいはリンゴや柑橘系のフルーツを思わせる、すっきりと若々しい酸味があります。
あとからかすかに、金平糖のカケラのような甘さも感じられます。
グラスに注いで温度が上がってくると、ハーブのニュアンスが際立ちます。
とても飲みやすく、魚介料理や和食だけでなく、揚げ物やピザのようなオードブルなど、幅広い料理に合いますよ。
もっとオススメのワインを知りたい方へ
美味しいワインでこれまでレビューしたオススメのワインを、ひとつのページにまとめました。
さいごに
いかがでしたか?
シャブリは長きにわたって品質が守られてきた最上級のワインですが、気軽に飲めるものも多く、合う料理も幅広いです。
あなたも上品で爽快なシャブリをぜひ試してみてくださいね。
記事の最初に、シャブリはブルゴーニュ地方の一角で造られているので、ブルゴーニュワインでもあるとお話ししました。
ブルゴーニュワインについて詳しくまとめた特集記事もあるので、興味がある方は是非チェックしてくださいね。
お気に入りの白ワインに出会えますように♪
ところで、この美味しいワインというサイトでは、これまでに色々なワインを紹介してきた。
200以上のワインを厳選してきたね。
それらのワインがひとつの記事にまとまっているといいんだけど・・・。
そう言うかと思って、私がまとめてみたわ。
以下の記事を見れば、美味しいワイン編集部がオススメするワインが一覧でチェックできるのよ。
それが、こちら!
この記事を監修してくれたワイン博士
(一社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ
所属するレストラン:東京 丸の内 フレンチレストラン サンス・エ・サヴール
バーテンダーとして、飲食業を始める。
ワインの奥深さに魅了され、ソムリエに転身。
西麻布にてオーナーソムリエとしてワインバーを開業。
現在、ワインの世界を極めるため丸の内のレストランでソムリエを務める。